息子の通う進学塾が開催した、公立中高一貫校の保護者説明会に出席しました。
中学進学時の選択肢のひとつとして、中高一貫教育を導入する公立校が東京都に誕生して二年目。ゆとり教育の弊害が叫ばれているなか、独自の教育方針を打ちたて、「質の高い教育を公立教育のコストで受けることができる」というのが最大の特長と、塾講師は語ります。
来年度、都内で受験が可能な中高一貫教育を導入した公立校は5校。いずれも、倍率が10倍程度と、私立平均の2.4〜2.9倍を、大きく上回る人気ぶりです。
かつての府立五中、名門の都立【小石川】、他校に先駆け中学校を併設型で開設した【白鴎】、作家・石田衣良さんの母校でもある【両国】、都立大付属高が母体となった【桜修館】、そして越境入学で人気だった区立九段中が母体となる【九段】。これら5校は、従来の公立ではなしえなかった、質の高いカリキュラムで、日本の教育水準を牽引しようというのが伺えます。
私の母校でもある都立【富士】高校も、2010年には中高一貫校として再スタートを切ります。学群制度の最後の年次に入学した私も、その後の都立高校の凋落ぶりには目を見張ると同時に、一抹の寂しさを感じていました。
人間形成におけるもっとも重要な時期である10代を、いかに素晴らしい学び舎で、よい仲間、学友たちと机を並べることができるかによって、人生航路は変わってきます。
高校時代のよき仲間達は、卒業後も私の支えとなっていますし、あのころに描いた航海図は、今でも私の心の中に生きています。
都立校の復権に期待するとともに、少子化で過熱する日本の私塾のあり方、親子関係に、ひとりの親として危惧感さえ感じて帰路につきました。