第一次雇用機会均等法施行後、初の大卒女子大量採用に伴い新設された、営業職の第一期生として、富士銀行に内定をもらった私。
卒業旅行に選んだ先は、JTB地球倶楽部が主催する、ヨーロッパ周遊のパッケージツアーでした。
今でいう「格安ツアー」のはしりで、夜入国して朝出国するという、到底観光もままならない過酷な旅程。12日間で、伊、仏、独、英、西、スイスを網羅した、不眠不休の生憎旅です。とはいえ、私にとりましては初めてのヨーロッパ。文化度の高さにも触れることができ、心に残るひと旅でした。
**画像はイタリアでのひとこま。。入行式の直前、当時流行りだった、この自慢のワンレングスに、(前髪だけ)ハサミを入れた。
参加者のなかには、ツアーのハードスケジュールに耐えられず、自費で途中離脱する学生もいました。添乗員は女性。体力も去ることながら、精神的にも大変な仕事を、嫌な顔ひとつせずこなしています。その印象的な姿が、のちの転職活動に、大きく作用しました。
西垣カズ子さん。彼女と再会したのは、私がJTBに転職後参加した、(当時の)東日本営業本部主催の欧州添乗研修旅行でした。もちろん、指導添乗員の役です。
普段から幾人ものお客様をお連れし、私のことなぞ覚えていないだろうと、この偶然に驚きながらも、おそるおそるご挨拶をしてみると、「確か、銀行に就職すると言ってましたよね」と西垣さん。あとから判ったことですが、あの添乗が、彼女にとっての初添だったのだそう。内実必死で、記憶も濃い仕事だったそうです。
今では、添乗員派遣会社JSI・JTBサポートインターナショナルで、ベテラン添乗員として新入社員の指導する立場の西垣さん。「(JTB本体の正社員になれば)添乗以外の業務をやらざる得なくなる」という明快な理由で、(上智大の新卒でありながら)子会社のJSIに入社。空を駆け巡る職業に就いたのだと、のちに知らされました。
**画像は、富士銀行入行後の教育研修で。左が、営業部隊向けの制服を着用した私。(前髪が、あるでしょ!)
その後、私がJTBを離れてのち、縁あって講師デビューした、『 資格取得ならLECの通信講座』のフレーズで知られる資格総合スクールLEC東京リーガルマインドで、実務家として西垣さんにご登壇いただくなど、「必然」と思えるこのご縁は、JTB退職後も細く長く続いています。
■【旅行作家】になるために vol.4
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