2007年04月26日

旅行作家になるために vol.8

今の仕事に活きているのは、旅行会社時代に培った知識と経験。
しかしながら、銀行勤務の時代に身につけた金融の基礎的知識や経済・商業のしくみ、そして礼節は、一生の宝となって、のちのビジネスに活かされることとなりました。

とりわけ実感できたのは、独立後。
中小企業を回っての営業活動を、サラリーマン時代にイヤというほど体験し、いざ、自分が零細事業主になってみると、今ある"自由"や"やりがい"とは引き換えに、大きなものも無くしたように思います。

私はいつも、「対価の代償」という言葉を思い浮かべて、さまざまな選択をしてきました。
得ることによって、払う代償もある。代償があるから、大きな対価を得られる。表裏一体の、無常です。

さて、旅行会社時代は、営業、ツアーの企画立案、添乗、そして精算と、全てをこなす激務でしたゆえ、よくよく身体を酷使しました。(仕事帰りは、会社の仲間と連日飲んでいましたから、なおさら!あの頃、「歳をとったら、肝臓か腎臓をやられるわよ」と言った先輩の言葉を、最近、よく思い出す。。)

jtbohyamablog.jpg(現場で)激務とはいえ、中途入社時の集合研修は、とても楽しいものでした。
多摩・永山にある現在の研修施設一帯と(土地の)等価交換をしたため、今は無き大山(板橋区)の研修所に泊まりこんでの新人研修。
ここ数日の新聞紙上に、「景気復活のあおりをうけて新人研修も復活の兆し」とありましたが、頼もしいばかりです。若いころの吸収力を思うと、かつて世界に誇った"日本型経営"の長所が、ここ数年、置き去りにされてきたようにも思います。

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**大山研修所では、地理や名所・旧跡・名産、航空時刻表・鉄道時刻表の読み方、運賃の計算方などを、みっちり教えてもらった。。

jtbparisblog.jpg営業が好きで、営業を希望しての入社でしたが、辛いことも、ままありました。そうしたとき、気分転換になったのが添乗業務です。
これまた、「ツアコンが激務」と最近の新聞記事にありましたが、まさに現代の専任ツアコンは、payのうえでも過酷な職業といえましょう。コストの高い正社員が、大手を振って添乗にでかけることができた、あの時代だったからこそ、充実したサラリーマン生活を送れたのかもしれません。

**GWなどの繁忙期は、LOOKの添乗にも借り出された。。これは、パリのエッフェル塔を、徒歩で登ったときの写真(歩いて展望台まで行けるの。。夜、有志を募り、ご案内)。(右側の)ツアーにご参加されたお客様は、今でも手紙をくださる。

近ごろは、"添乗経験のある筆者、求む"ということで、新たな企画の依頼が来たりと、他者とは一線を画した仕事ができる厚遇に感謝もしています。
現場を知った強みとは、こういうことを指すのかと、そして、得手に帆をあげてよかったと、常々痛感をしております。

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**銀行員時代に始めた着付けも師範をいただくに至りました。あのころは、仕事のあとはお稽古ばかりでしたが、それもよい経験でした。



人生やビジネスにおける「対価の代償」は、これからも、まだまだ続きそうです。求めるものが大きいほどに、今までにない代償をも払うような予兆があります。恐れないこと。そう自分に言い聞かせています。

ラベル:旅行作家
posted by 千葉千枝子 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行作家・観光ジャーナリスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする