"煮もの"("お煮しめ"と呼んでいます)をつくり、三陸から送られた【鮑(あわび)】をさばいて刺身にするのが、我が家のならわし。育ち盛りの息子たちのために、"すきやき"も大晦日の定番となりました。
**陸前高田に住む叔母から送られた新鮮な鮑。コリコリ感がたまりません!
年があらたまると、朝から【お雑煮】をつくります。
ごぼう、人参、大根、鶏肉で汁をたてて、三つ葉やいくらをのせます。地方や家庭によって雑煮の味も異なるようですが、生前、母から教わった味を、忠実に再現。お雑煮以外でも、東北地方ではポピュラーな"くるみ餅"が、元朝の食卓に並びます(私は、くるみ餅が大好き!)。ですが今年は、私の帰省が大幅に遅れ、正月支度もままならず。。くるみ餅作りは断念しました(和胡桃を一つひとつ割って、すり鉢で擂るのですが、かなり根気がいります)。そこで替わりに黒ゴマを擂り、ごまダレのお餅をつくりました。これ、みんな、私の仕事です。。
世界の美食が集中する東京で生まれ育ち、いまだ"外食"の楽しみは尽きません。でも、家庭で食べるこうした味こそが、もっとも安らぎを与えるものと私は信じています。
近ごろでは、都会に暮らす二割以上のひとが、正月の特別な迎えをしなくなったと聞きます。ショッピングセンターは元旦から営業しており、外食産業も無休。季節感が完全に喪失しているかのようです。
とはいえ、あの元気だった親がこれから益々老いを濃くし、かつてのような正月の迎えができなくなりつつあるのでは?と、今回、多少の不安も感じました。家族が集う喜びと「味」を、未来永劫、受け継ぎたいとおもっています。
ラベル:料理