学術の世界では、「観光」がどのようにとらえられ、研究がなされているのか。学問としての観光は、私にとりまして聞きかじっただけの未知の世界ゆえ、先日、縁あって、【日本観光研究学会】シンポジウムを聴講させていただくことになりました。
立教大学新座キャンパスで開かれた年次総会後のシンポジウムでは、景観研究の第一人者・中村良夫先生による基調講演が。また、"観光研究のフロンティア"といわれる先生方によるパネルディスカッションにも、興味津々、熱心に耳を傾けてまいりました。
文化人類学や地理学といった、オーソドックスなジャンルからみた「観光」は、切り口としても、また、論理的にも納得のいくところが多く、学問としての厚みを感じさせます。
日本社会のなかで「観光」が学問として認知されるようになり久しいですが、それでもまだ、先駆の分野とでもいいましょうか。社会学やエコツーリズム、はたまた観光計画学という文理を超えた取り組みがなされていることも知って、"広さ"と同時に、"難しさ"も感じました。
聴講者のなかには、経済学の観点から、はたまた業に従事しているお立場・視点から、さまざまな質問が投げかけられ、答えが出ないまま散会となりました。モノづくりの世界でも、産学連携が進んでいますが、日本では未だ新興とみられるサービス産業の分野で、学問と商いとが、今後どのように交わっていくかは、とても未知数で無限大のように感じます。
**シンポジウムのあと、同学内の太刀川記念交流会館で開催された懇親会にも顔を出し、しばし交流をはからせていただきました。