いよいよ世界旅行博の季節がやってきました。
9月18日、有明・東京ビッグサイト国際会議場で開催された【JATA国際観光会議2008】に出席し、観光庁が船出をする元年の業界最前線を取材してまいりました。
開会式には、谷垣国交大臣がご臨席され、全員起立で国歌を斉唱。来月1日の観光庁創設直前の今、あらたな時代の幕開けを感じ入りました。
とはいえ、そうした好材料を尻目に、原油高騰のあおりや世界経済の先行き不安などから、海外旅行者数は対前年比で大きく"減少"が予想されています。
ニューヨーク同時多発テロがあった2001年、そして疫病・SARSが国際航空網に乗じ世界伝染するさま、"怖さ"を知った2003年という「ボトム期」を、さらに下回るかもしれない最悪のシナリオが、今の旅行業界を取り巻いていることも事実です。そうした背景からか、今回の基調講演は、珍しくも二部構成となりました。
基調講演の冒頭では、VWCビジットワールドキャンペーン2000万人推進特別委員会・佐々木隆委員長がご登壇。次いで、澤邊宏VWC2000万人推進室室長が「活性化に向けた3ヵ年の戦略」と題してご講演されたパート2では、海外旅行の販促に向けた具体的な戦略が発表されました。
パスポート保有率が著しく低い日本の現状と危機感をあらためて伝えると同時に、アジア大交流時代の到来が大きなテーマとなった今回のコングレス。官と民、構造と販促という互いの補完が際立ったのが、印象的です。
さて、今回一番の感動プログラムは、マレーシア発のローコストキャリア【エア・アジア】グループのCEOトニー・フェルナンデス氏による特別講演でした。
ちなみにフェルンナンデス氏は、かのタイムズ紙で「マレーシアを代表するCEO」に選ばれるなど、受賞歴も豊富。自身がミュージシャンでもあり、ウィットに富んだスピーチに会場は沸きます。二ヵ国語同時通訳でしたが、短い時間に多くを話そうと早口なため、笑いが通訳に追いつかず、途中イヤホンを軽く外しながら、彼のユーモアたっぷりなお話を堪能しました。
**このポスター(左)、シンガポール路線就航時、ライバルSQの本社ビルを消したトリック画像を背景にして話題をさらったもの。フェルナンデスさん、説明しながら「ワハハ」と笑っています。政府の支援を受ける各国のナショナルフラッグキャリアにないものを追求するAir Asiaは、ドレスダウンをしてフレンドリーに相対する彼自身が、驚異の成長を牽引しているのだと実感します。
**こちら右の画像、ヴァージン航空の創設者リチャード・ブランソン氏と並んで映るフェルナンデスさん。彼こそ、アジアのブランソン!100ドルを切るロープライスで、アジア主要都市を結ぶAir Asiaは、革張りのシートにブランド構築も的確で、舌を巻く勢いです。ぜひ、後日アップ予定の記事をお楽しみに!
そして、もうひとつの見どころが、「日本の旅行会社の戦略、そして再活性化へ」と題した、各社社長によるパネルディスカッションでした。
風の旅行社原社長をファシリテーターに、ジャルパック高橋社長、JTB田川社長、トラベル世界今社長、そしてHISの平林社長が勢ぞろいでご登壇。最後に、各スピーカーによる短いプレゼンテーションで幕を閉じたのですが、いわゆる"オオトリ"でご登壇された、HIS平林さんの流暢な英語に、若さや勢いを感じたひとは多かったのではないでしょうか。
詳細は、後日あらためて、オールアバウトやビジネスブログにてご紹介したくおもっております。
■昼食会・夕食会の様子は…