学生時代に居候した菅平のペンションで、お世話になったオーナー夫婦に連れられて、雪降るなか栗おこわを食べに行ったのは、かれこれ20年以上前のこと。山波が色づく小布施の町には、美しさと優しさ、そして逞しさがありました。人口1万2千人の町に、年間の来客者数は、なんと120万人。その魅力とは…。
■花の生産基地【おぶせフラワーセンター】
「農業は、"強く、優しく、面白く"」を合言葉に、第一次産業(農業)×第二次産業(加工)×第三次産業(サービス)=「第六次産業のまちづくり」を推進する小布施町。「六次産業センター」の会議室で行われた関さんのガイダンスには、住民参加型の町おこしと素晴らしいリーダーの存在が、北国限界集落の復古に欠かせなかったことを印象づけます。
**花卉だけでなく野菜・穀物など一次産品が即売されています
花の情報発信基地【フローラルガーデンおぶせ】とともに、このフラワーセンター内には、お洒落なレストラン「OBUSE花屋」もあります。そして花を通じた交流【オープンガーデン】(自宅の庭を"来訪者"にも鑑賞いただこうとする取り組み)も、素晴らしい景観を生み出しています。
■【小布施町並修景(まちなみ・しゅうけい)事業】
補助金に一切頼らず、住民らの叡智と努力で進められた「小布施町並修景事業」。町屋づくりの旧家は国道沿いで住みづらいと、後継ぎは都会へ出てしまい、景観も損なわれ始めた昭和40年代初頭。ときの町長・市村郁夫氏(故人)が行った住民のための数々の施策とその精神は、二代目良三氏に引き継がれ、今に至ります。「点ではなく、面で開発しよう」。景観保存の町並みづくりが、官民一体でなされた結果、多くの"来訪者"を呼ぶことになりました。
■【北斎館】と高井鴻山(たかい・こうざん)・小布施【オープンガーデン】のしくみ
秀逸な作品が多く展示されている【北斎館】の周辺広場は、ひときわ来訪者が多く、私も栗アイスを食べながら、小径を散策。
一民家も、町の景観のひとつです。
**小径の先、オープンガーデンを抜けようと通りがかったお宅のお庭で、偶然お会いした現町長の良三氏。確かに「市村」の表札が。。真っ赤な紅葉がたくさん落ちていて、庭掃除中だったとか。
■六斎市と【小布施堂】本店
小布施は江戸時代、【六斎市(ろくさいいち)】という市が開かれ、交易の場でした。
千曲川と松川の合流地点、肥沃な扇状地に栗栽培が行われ始めたのは、室町時代にさかのぼります。のちに将軍の献上品として、小布施栗は全国にその名を知らしめました。【小布施堂】本店で、栗羊羹などを購入。お食事もできます。
■■小布施町の総合サイトは、http://www.town.obuse.nagano.jp/