日本全国、五万軒を超すといわれる日本旅館。経営上の栄枯盛衰、オーナーチェンジや時代的な路線変更は数あれど、津々浦々、延べの宿泊先は軽く二百軒を超えました。とはいえ、近ごろのラグジュアリー旅館、デザイナーズ旅館の出現には、目をみはるものがあります。
今日び、客室露天標準も珍しくないなか、大浴場の「半露天」の風情と驚きが桜庵にはありました。
**客室も半露天も須雲川に面した静寂の宿
ネーミングの通り桜の季節は、ことのほか美しいのだそう。
チェックインにはフロントで桜湯が。お部屋に通されると、お茶受けは桜の練り切り。お部屋はすべて独立したタウンハウス様式で、日本でいうなればプライバシー性の高いリゾートマンション、海外でいうならリゾートコテージのような造りになっています。
箱根湯本駅からは、送迎バスないしタクシーで。箱根【桜庵】――、贅尽くしなニューコンセプトの和風旅館でした。