こう帯に綴られていて、何ともなくドキッとしました。スイスの思想家、女性冒険写真家のエラ・マイヤールが最晩年に紡いだ言葉が綴られています。
「晩年」という言葉、何時をさすのか、故人になってみなくては判らない・遣うことができない言葉です。私自身、執筆のさなか、ジェネレーションを表記するとき、いつも必ず手が止まります。中高年、老齢期、超高齢…etc。中年だとか高齢だとか、ひとくくりにできぬほど、実年齢との高低差を感じる時代になりました。遺稿の訳者に敬意の念を感じます。
「新聞の切り抜きをこちらにちょうだい。私は世界につながっていたいの。何でも知っておかなくては!(【「いとしのエラ」エラ・マイヤールに捧げる挽歌】(アンヌ・ドゥリア著/鈴木光子訳 BOC出版部)より抜粋)」。女性が平等への闘いを始めた20世紀初め、「旅」と「書くこと」を選んだエラ・マイヤー。彼女の想いに、昭和40年生まれの私と、大きなジェネレーション・ギャップがないことに驚きを覚えました。
時空を超えて、「旅」と「書くこと」を選んでいます。晩年、東洋(アジア)の魅力に傾いたエラ。真に休息のときが来たとき、私はいったい誰に、どのようなことを頼むのかしら?
ラベル:本