震災から四十九日となる日に東京を経ち、東北道を北上しました。花巻に一泊して、遠野経由で、被災地の釜石へ入りましたのは、4月29日本葬儀当日のことです。花巻は桜が満開、遠野はまだ蕾も固く、しかし釜石は散りかけの美しいときにありました。
この桜舞い散る釜石は石應禅寺で、今回の震災で命を落とした祖父・下川原孝と叔父叔母の本葬儀、ならびに四十九日法要が営まれました。無常観を、これほど感じたときはなかったかもしれません。
被災後10日目、そして20日目、さらには今回50日目と、都合3回、被災地を訪ねることになりました。この50日で、被災地の状況はめまぐるしく変わりました。しかし、時が経っても喪失感を拭うことができないのは、人だけでなく街の景色を失ったからなのだと感じます。
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