2021年03月28日

おすすめの一冊【歌集 清流】

あの音楽紀行の著者・坂本康子さんが「四季おりおり、旅先や音楽にふれて紡いだ言葉」を副題に歌集【清流】をご発表され、まとめられた一冊です。表紙は、画家・伊藤彰規氏の「G・フォーレのエレジー」。清流のタイトルにぴったりです。

清流表紙.jpg


心に残った一句を、紹介させていただきます。

  今は無き世界一周航路にて
   パンナム機の銀はばたけり(坂本康子)


ほかにも名句はたくさんあるのですが、旅の世界に生きる坂本さんらしい一句です。
私の初めての渡航がパンナム機でした。

旅行業に長年従事された著者。その旅行業界を見渡すと、絵画や書、音楽、写真や手芸等に精通した人が多く、きっと国内外の”本物”をたくさん鑑賞したことによるものではないか、と感じています。
坂本さんの著した音楽紀行シリーズを読めば、なおさらと実感されることでしょう。

新型コロナウイルスで旅行業は壊滅的な状況ですが、それでもなお、前を向いていこうとされているのを、業界の方にお会いするたび感じています。こうした時期の応援歌でもあるようにおもいます。
今の時間を、焦らず悲観せず過ごしていくのが大切のように、詠まれた句で感じました。




ラベル:旅行業
posted by 千葉千枝子 at 00:51| 東京 ☀| Comment(0) | おすすめの一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする