マレーシアKLでタトゥに挑戦
「ブログ」というせっかくの自主発言の場なので、今日は、昨今ブームのロングステイ市場の行方について、私見を述べることにします。
「ロングステイ」という言葉は、実は造語で和製英語です。80年代に経済産業省が主導したシルバーコロンビア計画に端を発し、ロングステイという言葉がこの世に誕生しました。現在、「ロングステイ」は経産省外郭の財団法人ロングステイ財団が、商標権を有しています。
バンクーバーの慈善団体コスモス会
現在わたしが連載している雑誌の、(とてもお世話になっている)副編集長さんと初めてお目にかかったのは、今から二年前のことです。そのとき彼は「ロングステイは潤うビジネスではないから、市場としては拡大しないのではないか」とコメントしたのを、今でも強烈に覚えています。
ロングステイをライフワークにしようと熱意を燃やしていたわたしにとりまして、その言葉にはカチン!。しかしながら、理がある話と受け止めました。ロングステイは、わたしが提唱しつづけたように、ライフスタイルのひとつとして確かに定着するようになりました。
多くのひとが、夢や憧れをもって、海外での長期滞在を実現しています。
しかしながら、まだまだ、B to Bビジネスの範疇を脱しきれない参入企業も多く、便乗商法の機運もぬぐいきれないのが現状です。
消費者は賢く、そしてシビアです。インターネットで積極的に最新の情報を入手し、まるでいつもの旅を自分でデザインするかのように、上手にロングステイを実践しているのです。旅行業者をはじめ、ロングステイ・マーケットで成功しようと考えているひとたちの多くは、投網で大漁というわけにはいかないことを思い知らされています。
台湾の新光三越で日本食材の視察
「ロングステイ」という言葉が自由に使用できない点にも、市場拡大の阻害要因があります。「海外暮らし」や「スローステイ」といった言葉に置きかえ、独自のサービスを展開する企業も現れて久しくなりました。
ロングステイは、旅と暮らしの進化形です。暮らしに定義はなく、十人十色が当たり前ですから、それに対応しうる企業体としての体力も必要になります。
ロングステイ自体が、進化しているのも事実です。多様なニーズを受け止めるだけでなく、あらたな提案をしていくことも今後は求められてくるでしょう。台湾やバンクーバーの自著は、そうした視点で書き綴りました。
なかには、「バンクーバーのことは自分が一番よく知っている」「台湾のことを本当に理解しているのか」と言って寄越すひとがいます。このように狭窄的な観念では、本当の意味でその地への誘致・プロモートにはなりえません。異国のその地を愛するひとたちが、ひとりでも多く同時進行的にシナジーで動いてこそ、ロングステイはより大きなマーケットに拡大するものと考えます。わたしが、各国の政府観光局と協同で取材・筆耕するのも、そのあたりに理由があります。
2006年05月10日
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日本では「団塊の世代」は数年間のベビーブーマーを言いますが、アメリカでは、ずーーーと20年くらい続いたそうですね。 この世代がこれから年金を受け取る側にまわるといったいどうなるんでしょう。まず、年金の多くを運用されている株は↓↓ですか....。
私の携わっているタイムシェアも昨年「団塊の世代」向け商品として日経新聞が夕刊のTOP記事でなんと「ペイオフ商品」として取り扱っていました。米国で金融商品のような誤った案内をしたら、大変なことになってしまいます。(笑)
「金融商品」と一言に表現したら、誤解もはなはだしいですよね。
タイムシェアは私も持っていますが、あの価額には「夢の先行投資費用」が上乗せされているわけで、投資として所有するのではなく、自己の楽しみのために持つもの。健全な考えでなくては、いけない!というのが持論です。
カッシーさん、コメントを有難うございました。