ゆとりある老後資金が1億円といわれる時代。世代によって年金受給の開始時期や受給条件が異なるため、年金にまつわるアドバイスも一様ではありません。
ちょっとした知識を得ることで、自らの老後の暮らしをより豊かにできるのであれば、こうしたプロの声に耳を傾けるべきだと私は思います。
定年退職後も働き続けたいと考える中高年者が多い一方、年金を賢く受け取るための離職のタイミングも重要です。
本著では、60歳以降も働き続け【在職老齢年金】の対象になった場合、【加給年金】はどうなるか?といったような、予め知っておきたい情報や年金知識を、図解を用いて平易に説明しています。
このごろでは、退職後に「ロングステイをしたい」「田舎暮らしをしたい」といった夢を実現させるためには、いくら必要で、どのようなお金の準備をすればよいのか、というご相談も増えています。
老後のライフプランが明確であるひとほど、マネープランも立てやすくなりますし、夢の実現にも近道です。ロングステイやその他のライフイベントを実現実行するための「ご予算」を確定するには、年金はもちろん、今後の想定できるキャッシュフローを、ご自身が把握する必要があります。私のところへロングステイ資金のご相談に訪れる読者のかたへは、「まずはご自身の把握から」と背中を押すよう心がけています。
セカンドライフに確たる目的があるひとは、運用や投資への関心も高く、情報収集を早期から始める傾向にあるようです。(相談者のタイプから、そのように読み取っています)ロングステイに関していえば、「夢を夢で終わらせない」というキャッチコピー的な言葉が踊りがちです。ところが、目的を遂げるために、どれほどの意志と実行力があるのかという踏み絵なくしては、単なる夢として霧散してしまうでしょう。
すなわち「踏み絵」とは、ご自身の把握、たとえば将来受け取れる「年金」であり、現在の資産のたな卸しであると私は考えています。
まずは、自分自身の将来を、自分の力である程度想定し算出してから、専門家のアドバイスに耳を傾けるような段階をふむことをおすすめします。
そもそも、ファイナンシャルプランナー(FP)という職業は、本場米国では、あくまでも中立的なアドバイスをするお金のプロです。金融機関等、企業に属するFPが、数のうえでは圧倒的に多い日本の場合、アドバイスに偏りがないとは完全に言い切れない土壌にあるわけです。
上野さんのように、独立して活躍するFPが存在することは、たいへん好ましいことと、私は考えています。
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