とはいえ、今回取材したi.JTB代表取締役社長・北上真一氏によると、パーッケージの主力商品LOOK(ルック)の売上は、この2年間で12倍に膨らんだという。
航空券や宿泊券、各種観光券の販売とは異なり、パッケージは、(1)カード精算が主流のため、限度額やカード情報の登録に対する不安から敬遠されがち、(2)行程などへの質問があるため、対面販売を選びがち、という数値結果がある。
今後は、JTBネットワークの店舗網数という強みを活かした対面販売への導線を引くことに注力し、独自のオンライン販売方針で勝負する構えだという。
北上氏がWEB事業を推し進め、若くして社長職にまで抜擢されたその背景には、今から15年前に通った【慶応ビジネススクール】(MBA取得)での貴重な体験がある。
そののち、米国のある発表論文に、「エージェントと名のつくものはなくなる」という言葉を目にすることに。
「エージェント」とは即ち、旅行代理店、広告代理店そして弁護士。
90年代前半、インターネットの日本上陸で危機感を募らせる一方、「逆転の発想で捉えれば、社の巨大ネットワークを駆使した生き残り策があるのではないか」と考えた。それが、社内企画の始まりだ。
以後、既存のネット専門業者と差別化をはかるべく、「逆転の発想」を武器に、リアルの世界とネット販売とを上手に結びつけ、人的な経営資源を最大限活かすことに注力した。
また、コンビニの各店舗では既に、チケット予約や購入が可能な専用機械を導入しており、スキーリフト券や東京ディズニーランド入場券など、チケット単体での取り扱い高も増え始めた。旅行会社が苦手とするマイカー族の利用が多い。
インターネット決済を好まないひとであっても、まずは、携帯モバイルなどで希望コースやその他商品の「商品番号」を検索してから、店頭やコールセンターなどを利用すると効率的とのこと。アクセスして空きを確認してから、店頭やコールセンターを訪れるひとが増えたことから、売る側の効率もアップした。
「変化に柔軟に適応できること」
それが、これからの企業に求められているようだ。
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