私はこの本の存在を、先月、釜石を訪ねた折りに知りました。会食の席で従弟から聞かされ、その翌日、取材で立ち寄ったホテルサンルート釜石で受付を守るYさんと再会したときにも「もうご覧になりましたか?」と尋ねられ、手に入れたくてたまらなくなったのです。それで帰京後、藤枝さんのホームページをみつけて、注文のメールをいたしました。そのお返事に、どれほど驚いたことか…。
■写真家・藤枝宏さんのホームページ
ぜひ、藤枝宏さんのホームページをご覧になられてください。そこには、賑やかで元気だったころの釜石、自然美がファインダーを通して生き生きと描かれています。そして、優しいお人柄が伝わる文章。まだ、お会いしたことはございませんが、藤枝さんは私の存在を知っていてくださったそうです。私がテレビに出るたびに「千枝子さんが出ていますよ」と、津波で命を落とした今は亡き叔父に伝えてくださっていたのだとメールで知って、じわっと涙が溢れました。こんなことって、あるのだな…と。
この大災害も半年を経て、こと東京の大都会では風化されつつある気配を感じる日々です。だからこそ、記録にとどめることは重要なのだとおもいます。記憶に刻んでおきたい、忘れることなどできない。そのように心を寄せる人たちが、きっと、この一冊を貴重に感じることでしょう。心の底から、おすすめしたい一冊です。(追記:貴重な作品にマル印をつけて、このブログに載せてしまって、ごめんなさい。でもまさか、あの日を残してくださった方がいらしたなんて。藤枝さん、有難うございました)。
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