2012年09月17日

津軽霊場【川倉 賽の河原地蔵尊】

古本屋で見つけた桜井徳太郎さんの「祭りと信仰〜民俗学への招待」(講談社学術文庫)を読んでいました。昭和62年初版の文庫本です。私は母の実家がある岩手県・釜石への帰省の道すがら、遠野をかならず通るものですから、日本を代表する民俗学者・柳田國男さんの本を口語体を中心に、以前からよく読んでいました。オシラサマの絵本なども、奥の部屋の本棚に眠ります。もう少し詳しく知りたいなと手にとった一冊には、やはり柳田國男さんの名が記されていて、日本近代史の民俗学の創始者(パイオニア)とあります。そして、“みちのくの民俗”という章に、ありました、川倉の文字。

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ここは五所川原金木町の津軽霊場【川倉 賽の河原地蔵尊】。
恐山のイタコはとても有名ですが、この本によると北津軽郡(今は市町村合併で五所川原市)が最大のイタコマチとあります。次いで旧五所川原市。そうです、霊場への扉は五所川原にあるのです。

イタコの口寄せをテレビでご覧になった方も多いでしょう。私は幼いころ、陸前高田での祖父母の葬儀の席に、こうした口寄せの方を招いて、神妙にうかがって葬送した記憶があって、死者にかわって言葉を発せられる霊媒の職をまことに信じる人間です。
ここ片倉は、ひっそり静かな悲哀の場所です。愛児を失われた方が風車がまわる地蔵道は賽の河原で石を積み、未婚のお子さんを亡くされた親御さんは人形堂に夫婦人形を祀るという、回向供養の場なのです。イタコの起源は1500年前といいます。自然の摂理のなかで生きる私たち人間の、古くからが、いまだ残る場所なのです。おすがりしたい方もいらっしゃるでしょう。優しい気持ちでお参りください。

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posted by 千葉千枝子 at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の名所・旧跡・お城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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