2013年04月03日

詩人・村次郎(むら・じろう)と旅館石田家跡を訪ねて…八戸・陸奥のみち

今回の八戸行きのことをたくさん、このブログでお伝えしました。実は、訪問に先立ち3回も読み返した本が、司馬遼太郎さんの「街道をゆくシリーズB 陸奥のみち 肥薩のみちほか」です。 こちらの“陸奥のみち”編に登場する旅館・石田家の跡地に連れて行ってもらいました。昭和の詩人・村次郎(むら・じろう)の実家であるこの旅館には、当時、多くの著名人が訪れたと聞きます。

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鮫エリアも先般の震災で津波被害のあった地域ですが、その以前に旅館は閉鎖しています。今は建物がないただの更地で、ご覧の通り、草ぼうぼう。地番表示も立て看板も何もないので、一般の観光客が訪ねても分からないでしょう。観光資源にもなることだろうに、司馬遼ファンからすれば「もったいない…」とも感じましたが、これも時代の流れなのかもしれません。

それにしても藩政時代から明治にかけての、街道シリーズにおける旅人目線での語りは、今も新鮮に感じます。昨年は沖縄と青森を毎月のように往来して、日本の観光振興について真剣に考えましたが(あのころ、小説 琉球処分を二度読み返しました。また読みたい一冊です)、思うに私たちの旅情や観光振興は今、近代社会から遡り、幕末のころへと心の回帰をうながすところにあるようにおもいます。そこにルーツツーリズムや文化観光という手法が燻しの光をあて、地域の存在感を誇示させているのではないかしらと…。

ちなみに司馬遼ファンの皆さんや村次郎の所縁の地を訪ねたい皆さんで、旅館石田家さんのことお知りになりたい方はぜひ、八戸ワシントンホテルの支配人さんに尋ねられてみてください。

posted by 千葉千枝子 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域・まちづくり・NPO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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