韓国で観光というとソウルや釜山、ドラマのロケ地などを巡られる人が多いとおもいますが、空港がある仁川の市街をじっくり観たことがない人は、ぜひ一度、仁川を訪ねてみてください。仁川には、「韓国で初めて…」が集積しています。なぜかというと、長らく続いた李王朝に、ときの日本政府が開国をせまり、釜山などとともに開港した地だから。韓国で初めて、日本租界が置かれた場所です。
仁川【開港場近代歴史文化タウン】と名がつくエリアは、今、旧日本人街が綺麗に再現され(長屋など日本家屋が再現されています)、また、旧日本第一銀行(かつての第一国立銀行仁川支店。のちの朝鮮銀行)が、そのままの姿で保存、「仁川開港博物館」として公開されています。第一銀行を最初に観たとき、ちょっと鳥肌が立ちました。
ここ仁川の第一銀行では、当時、中央銀行の役割を果たしており、韓国で初めて造幣をしたのが仁川です。皆さん、みずほ銀行の銀行コードが0001というのはご存じですよね。かつて合併前は、第一勧業銀行が0001、そして富士銀行が0002でした。その由来やナンバー銀行のことを新入行員の入行研修で聞いて、なるほど…と、驚いたものです。縁があって、ここに来たように感じました。
仁川開港博物館は、月曜休館、開館時間は朝9時〜18時で、入場料は大人1人500ウォン。中に入ると目に留まったのが、見慣れた赤いポストです。郵政の仕組みも日本からもたらされ、仁川で韓国初の郵政事業が行われました。関税の仕組みを取り入れたこと、ソウル(漢城)への鉄道敷設についても(これも韓国初の鉄道路線)模型展示されています。旧日本人街を再現したスクリーンも。ただし説明書きは、すべて英語とハングルの表記のみ。日本語はありません。
今回、ご説明はすべて英語でしたが、日本語の端末機を観光案内所(仁川駅前)で借りることができるのだそう。パスポートが必要です。ちなみに、指をさしてご説明いただいているのは、韓国初の西洋式ホテル「大佛ホテル」の写真。今はもう更地でした。
ちなみに、ここ仁川には、ほかにも第十八銀行(今の十八銀行)や第五十八銀行(のちの百三十銀行で保善銀行、安田・富士銀行を経てみずほ銀行に)の建物などが歴史的建造物として保存されています。
これまで韓国は、日本統治時代の建造物を評価することは、あまりありませんでしたが、仁川では旧市街の整備を始めており、中国人なども数多く、観光に訪れています。というのも、ここにはチャイナタウンがかつて広がり(清国租界)、その境界線が日中譲歩の場所とされるから。詳しいことは記事に数点、すでに書いて入稿を始めていますが、また追って、ブログでもお伝えします。
2013年06月29日
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