すらっ、と長身なスイス インターナショナルエアラインズ支社長の岡部さんとは好対照な三國シェフ、お二人のグルメ対談からスタートです。滅菌に厳しい機内食・ホットミール創作の奥義(上空2000mでは卵も“にがり”も使用できない等etc)や、肉の焼き加減等々の話題が、実に面白く勉強になりました。味の追求と衛生基準の両立に挑んだのがうかがえます。三國シェフプロデュース機内食は、LX日本発着欧州線のファーストクラスとビジネスクラスにおいて数量限定で提供しています。そして、こちら画像は前菜「自家製豆腐の柚子味噌風味、無花果・胡瓜・パプリカ、カリフラワーのピュレととんぶり添え」です。お味噌もまた、上空では難しい扱いの食材なのですって。
こないだまで、日経新聞の三國シェフの連載を楽しみに読んでいましたから、渡仏前のこと、札幌グランドホテルとハンバーグの想い出や、帝国ホテルで村上シェフのもとご修行された記事が印象的で、ナマでお話をうかがえば、やっぱり破天荒な人生そのもの。仏料理の巨匠・ジラルデに師事したことから、LXとのご縁ができたのだそう。以前から、ジラルデご本人がLX機内食をプロデュースしていたのを、三國さんが引き継がれたのです。やはり仕事は一本の糸のごとし人脈。連綿としているのが分かります。
木漏れ日のさすテーブルに置かれたプレート(皿)はオテル・ドゥ・ミクニさんの(大倉陶園の)ものですが、機上ではLX特製の白いボーンチャイナでいただきます。
上から順に、
・サーモンのスフレ仕立て、ノイリー風味、フルーロンとトマト・フォンデュ添え(画像は、中のサーモンをお見せしたく、割っています。“フルーロン”は半月型のパイ生地)
・牛フィレ肉のステーキと茄子のプレゼ、木の芽味噌ソース
・ピスタチオナッツのムースとカシスのムース、マンゴーのシャーベットの盛り合せ
料理を、“芸術”へと高めた三國シェフ。近くドクター(博士号)の称号が与えられるのだそです。来年は、スイスと日本の国交が樹立して150周年の節目の年。機上の美食も、まだまだ進化しそうです。
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