2014年11月14日

重要無形文化財【伊勢型紙資料館】寺尾家住宅 鈴鹿市白子を訪ねました

鈴鹿市にお邪魔したのは、1987年、鈴鹿サーキットにF1世界選手権を観戦に行って以来。ホンダエンジン搭載のロータス・ホンダ、アイルトン・セナや中嶋悟さんに黄色い声援を送ったときから早や27年が経過しました。
名古屋から近鉄特急に乗車。降り立ったのは、白子(しろこ)という名の駅です。鈴鹿サーキットの最寄駅でもあります。最初に向かいましたのは【伊勢型紙資料館】寺尾家住宅です。光栄なことに、鈴鹿市の大森副市長にご案内を賜りました。
重要無形文化財の伊勢型紙を、皆さんはご存知ですか? ここ白子で彫られた伊勢型紙は、型紙商人によって江戸に運ばれ、染色がなされて、あの江戸小紋が誕生していたと教えてくださったのは、保存会の六谷㤗英さん。ご自身が彫られた作品も展示されています。どれも見ごたえがあり、お着物好きだけでなく、意匠を学ばれている方にもぜひ、ご覧いただきたい資料館です。

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「送りの美」という言葉を、教えていただきました。伊勢型紙は、すなわちパターン。染色時の柄あわせに、細かな細工や高い技術がみてとれました。江戸文化は本当に奥が深いですね。
伊勢型紙を用いて生産されたお着物は小紋だけではありません。浴衣に友禅、さまざまです。ここ白子は紀州藩の飛び地でした。おそらく公家の文様などもベースに伊勢型紙が起こされ、独自の柄も派生していったのでしょう。まさに飛ばんとする鶴の文様に私、惹きつけられましたので、少し大きくご覧にいれます。
若いころ、着付けの免状をとるときに、江戸小紋の柄の豊かさ・素晴らしさに魅了されたものですが、

そんな想い・感動が蘇りました。江戸小紋は遠目に見れば単色のように映るものが、凝らしてみると柄もさまざまで趣があります。日本人の奥ゆかしさや、粋を感じさせます。
伊勢型紙は、柿渋を用いた和紙を加工して地紙を作り、そこに柄が彫られます。技法は4つ。さまざまな形状の刃先をもつ彫刻刀のような道具で彫られていて、旧くは海外に流出もしました。そうしたお話を丁寧に教えて下さった六谷さん。日本の和紙がユネスコの世界無形遺産に登録間近ですが、保存会の有無で産地に明暗が分かれました。伊勢型紙技術保存会の皆さんの、技術伝承と保護に期待してやみません。

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ご案内をいただき、ありがとうございました。外国人が好みそう・・。そんな予感がしました。
ラベル:着物 三重県 鈴鹿
posted by 千葉千枝子 at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 体験と交流・日本文化・お着物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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