処女作となった「悠々パース暮らし」(綜合ユニコム)は、たくさんのひとたちに支えられての記念の一冊となりました。
美容商材のインセンティブ旅行で例年ハワイへ赴いていた私は、家業の不動産会社を手伝っていた関係もあり、タイムシェアや現地不動産に興味を示すようになりました。90年代後半〜2000年初頭にかけ、地元関係者に人脈も増えたころ、都内で営む海外不動産販売会社に、奇しくも縁することになります。すでにタイムシェアを保有し、そのしくみを熟知していましたが、まだ日本国内では十分に認知されていなかったころでした。
その海外不動産会社は、あとで知るところにノーライセンスの悪徳業者で被害者も多く、現在ではすでに廃業していると聞きます。こうした無法者が、今後は国内でも増加するだろうと予見しているさなか、新規造成中のマリオットが、セールスライセンスを付与できる日本人を国内で探しているとの情報を入手。現地で研修を受けることになりました。
巷では「ロングステイ」という言葉が流行りはじめていましたが、商標権の問題などで市場は停滞し、旅行業の見地からは疎んじられたマーケットに挙げられていました。
東京・築地のある出版社が、ロングステイの専門雑誌をつくりたいということでプロジェクトチームに招かれたのをきっかけに、旅行会社時代、世話になった方々と再会する機会が増えたのです。
**著者プロフィールの画像は、美容業時代に懇意になったオプシス(東京・日比谷)の女性経営者に撮影を依頼。全てが"手弁当"でした。
ところが、イラク戦争が沈静化したのも束の間、SARS問題が深刻化し、雑誌の立ち上げは頓挫しました。強力な協力者が現れたというのに、プロジェクトは宙に浮いた状態に。
そこで、知人のつてをたどり、持ち込み原稿で企画のテーブルに載せてもらって出版化できたのが、デビュー作となったこの本です。企画立案から、すでに1年半以上の歳月を費やしていました。事業の転換と深夜に及ぶ執筆や家庭環境の変化で、途中、体調を崩して入院も経験しての長旅でした。
こうやって、たくさんのひとに助け舟を出してもらっての出帆(出版)で、ここからが旅行作家としての第一歩となったわけです。
ラベル:旅行作家