
私が立っているのは、標津(しべつ)川にかかる観覧橋です。




標津川にかかる観覧橋を、向こうまでいくと、左手に、遡上中の鮭を捕獲・水揚げする作業場が、そして右手には鮭の大小・雌雄を選別する筏が組まれていました。橋の左右を大きな管が貫き、水揚げされた鮭が選別筏に流れていきます。川から大きな網で鮭をすくう作業は、相当に重労働なこととおもいました。
川面、それも河口側を覗くと、たくさんの鮭の姿が。堰き止められて、行き場はただ、一つ。それはもう、鮭の大混雑・大渋滞の様相で、おびただしい数の鮭が。なかには飛び跳ねる鮭もいます。ですが、遡上が始まったばかりの今の時期、まだ全体の1割にもなっていないのだそうで、捕獲最盛期をご覧になられた方には申し訳ない感動体験値かもしれません。
3年から5年をかけて、誕生した川に戻って産卵するという鮭の本能は、女性の私からしても実に神秘的。稚魚は、オホーツク海からベーリング海へ渡り、ここでは先輩鮭たちに出逢うそうなんですが、そこから遠くアラスカ湾をまわって北太平洋に帰ってくるのだと、世界地図をみながら、あらためて感心させられました。長旅です。
この興奮を、たくさんお届けしたかったのですが、締め切り原稿をお待ちいただいていますので、この辺で、とおもいます。
顔ハメパネルで私、熊さんに好まれる雌鮭になってみましたので

やっと北海道に戻ってきても途中、熊に食べられることもあって、生き残りの厳しさを感じます。館内展示と秋サケブック(北海道さけ・ます増殖事業協会発行)のサケすごろくで知りました。標津サーモン科学館は、遡上時期でなくとも充実した展示で楽しめます。体験型展示のなかで一番面白かったのは、チョウザメの指パク体験コーナー。笑えますね。
それから釧路の台所「和商(わしょう)市場」で早速、並べられた秋鮭をご覧にいれます(最下段)。ちなみに、大海を泳いで生き残って北海道に戻ってくる鮭は、100尾中、3〜5尾という確率だそう。



単なるハコモノでは、ありません。実に見ごたえのある、よい施設でした。
