幼少のころ、年が離れた弟を、今は亡き母が出産のおり、はるばる東京へ手伝いに来てくれた、優しい伯母。伯母に手を引かれて、幼稚園に通ったのは、はるか37年も昔のことです。
駆けつけるにも時間帯が上手くあわず、東北新幹線と在来線を組み合わせて、最短でも所要約7時間!!(乗車時間は、正味約5時間弱ですが、乗り継ぎが悪いのが難点です)。スケジュール上、やむなく、"強行日帰り"を決行することに。往路は、約8時間をかけて弟がハンドルを握り、車で。復路は、一ノ関駅からひとり、新幹線で帰京しました。
東京育ちの私にとって、陸前高田は究極の"田舎"。父の生家は築100年超の茅葺の旧家で、昭和の時代も、竈(かまど)で炊飯や風呂焚きをしていました。霧たちこめる山里を車で走ると、子どものころの印象が、そのままそっくり蘇るから不思議。「ああ、岩手に帰ってきた」と、感じるのであります。
■高田松原【キャピタルホテル1000】
隣接する大きな塔に「千昌夫のふるさと」と記されているとおり、ここ陸前高田は、あの千さんの出身地。一時期、不動産王としても名を轟かせた彼が、故郷に建てた大型ホテルが、この【キャピタルホテル1000】です。
昔ながらの木賃宿や民宿ばかりのこの町で、ひときわ目立つ近代的なホテル。松の緑と美しい砂浜の"高田松原"は、幼少のころ、毎夏訪れた海水浴場で、思い出の場所。この松原を見渡せる高層階の部屋からは、花火大会を観ることもできます。(モチロン、泊まったこと、ありますよ)
**岩手県陸前高田市高田町字曲松132-4 TEL 0192-55-3111
■東北自動車道【国見】サービスエリア
帰省はいつも、車でした。それに、立ち寄るSAはいつも決まっていて、2度3度、休憩しながら長距離ハンドルを握ります。そのひとつ、【国見(くにみ)】SAは、福島と宮城の県境、福島飯坂と白石の中間に位置しています。
朝4時起きでこしらえた、カンタン手作り弁当で、朝食休憩。すると、朝早いというのに、休憩所の軒先で、野菜の即売会をやっています。「採れたてタケノコ1本200円」、「レタス1ケース20玉」がナ、ナントたった400円!!弟と分けっこしたので、私は帰りの新幹線でレタスを10玉+筍2本を、手提げに持って乗車する羽目に〜。
**国見SA(下り)の情報は、こちら。
■JR【一ノ関駅】
陸前高田という街は、一ノ関から東の方角、太平洋側へ一本道。とはいえ、カーブと勾配の山道を走らねばなりません。その国道を沿うように、JR大船渡・盛(さかり)線が走るのです。
帰りは、一ノ関駅で弟と別れ、一路東京へ、東北新幹線やまびこ号を利用しました。
**仙台で"はやて"に乗り換えると、もう少し所要時間が短縮されるのですが、やっぱり寝て帰りたいから"やまびこ"で。車内では、大好きなピーナッツ入りの南部せんべいを食べながら文庫版を広げ、やがて、うとうと。
伯母ちゃん、どうぞ安らかに。。
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